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2022年10月20日 [会計・税務]

副業収入等に係る改正所得税基本通達公表

従業員へ副業を認める会社が増えてきていますが、国税庁では、副業に係る所得についての適正申告のための環境づくりに努めているところ、2022年10月7日に「所得税基本通達の制定について」の一部改正を公表しました。8月1日に公表された同改正案では、副業収入300万円以下の場合には特に反証がない限り、雑所得になることが示されていました。一方、改正通達では、事業所得への該当性は「その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか」で判定することを原則とした上で、「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存」があれば概ね事業所得に該当することを示しました。副業収入が300万円以下の場合であっても、社会通念上の事業性(通達では帳簿の書類保存)があれば概ね事業所得に該当するとされました。ただし、同改正通達の解説によれば、帳簿書類を保存している場合であっても、@その所得の収入金額が僅少と認められる場合、Aその所得を得る活動に営利性が認められない場合は、事業と認められるかどうかを個別に判断すると記載されています。なお、副業収入が雑所得となると青色申告控除の適用が排除されるとともに給与所得との損益通算も認められなくなります。
(所得税基本通達35−2 改正点)業務に係る雑所得の例示 注書
事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。
なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が 300 万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。
(同 解説)
その所得に係る取引を記録した帳簿書類を保存している場合であっても、次のような場合には、事業と認められるかどうかを個別に判断することとなります。
@ その所得の収入金額が僅少と認められる場合
例えば、その所得の収入金額が、例年、300 万円以下で主たる収入に対する割合が 10%未満の場合は、「僅少と認められる場合」に該当すると考えられます。
※「例年」とは、概ね3年程度の期間をいいます。
A その所得を得る活動に営利性が認められない場合
その所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取組を実施していない場合は、「営利性が認められない場合」に該当すると考えられます
※「赤字を解消するための取組を実施していない」とは、収入を増加させる、あるいは所得を黒字にするための営業活動等を実施していない場合をいいます。



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