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リースに関する会計基準の公開草案
2023年06月14日 [会計・税務]
我が国においては、2007 年 3 月に企業会計基準第 13 号「リース取引に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第 16 号「リース取引に関する会計基準の適用指針」が公表されました。その後、2016 年 1 月に国際会計基準審議会(IASB)より国際財務報告基準(IFRS)第 16 号「リース」が公表され、同年 2 月に米国財務会計基準審議会(FASB)より Topic 842「リース」が公表されました。IFRS 第 16 号及び Topic 842 では、借手の会計処理に関して、主に費用配分の方法が異なるものの、原資産の引渡しによりリースの借手に支配が移転した使用権部分に係る資産(使用権資産)と当該移転に伴う負債(リース負債)を計上する使用権モデルにより、オペレーティング・リースも含むすべてのリースについて資産及び負債を計上することとされています。これらの状況を踏まえて、2023年5月2日に企業会計基準公開草案第73号「リ−スに関する会計基準(案)」等が公表されました。新しい会計基準の導入においては、公開草案のコメントの募集のあった年度に基準を公表し、その2年後に新しい会計基準が適用する事例が多くなっています。
このため、従来のスケジュールに則ると2026年4月から始まる事業年度においてリースに関する会計基準が強制適用となる可能性が高いと見込まれています。
新会計基準では、すべてのリースが対象となり、従来のオペレーティング・リースが賃貸借処理(借手)であったのがリース開始時より使用権資産とリース債務を計上する会計処理に変更となります。
なお、新会計基準の導入に当たっては経過措置の規定が設定され、会計基準の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することになります。ただし、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することができるとされています。
従来、賃貸借処理していたリースに関しては、契約の内容を確認し、リースに該当するものを使用権資産とリース負債を計上する必要があります。また、使用権資産に減損兆候があれば、減損損失の認識測定が必要となります。
新会計基準の導入に備えて、リースの識別、使用権資産の減価償却、リース債務の利息法による支払利息の計算など、準備体制と期間が必要となります。

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