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IPO における公開価格の設定プロセスの変更
2023年10月12日 [IPO]
「日本の IPO では、上場後初めて市場で成立する株価(初値)が上場時に起業家が株を売り出す価格(公開価格)を大幅に上回っている」、「初値が公開価格を上回った場合、公開価格で株式を取得した特定の投資家が差益を得るが、スタートアップには直接の利益が及ばない。このため、同じ発行株数でより多額の資金調達をしえた」などの課題があることを踏まえ、「公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ」により当該課題の検討が行われてきた。その結果、10月1日以降の株式のIPO(新規公開)について、公開価格の設定プロセスが一部変更となりました。主な変更点については、以下のとおりです。
1.仮条件の範囲外で公開価格が設定されたり、公開価格の設定と同時に売出株式数が変更されたりする可能性
より需要を踏まえた公開価格等を決定できるようにする観点から、「一定の範囲」内であれば、ブックビルディングをやり直すことなく、「仮条件の範囲外での公開価格の設定」及び「公開価格の設定と同時に売出株式数の変更」ができることが明確化されました。
2.上場承認日から上場日までの期間を短縮する方式での上場が可能
上場承認日から上場日までの期間を短縮し、市場環境等の変化による価格変動リスクを低減するため、上場承認日に提出している有価証券届出書を上場承認前に提出し、必要な手続きを早期化する方式での上場が可能となります(「承認前提出方式」といいます)。
「承認前提出方式」では、従前は1か月程度であった上場承認日から上場日までの期間を 21 日程度に短縮することが可能となります。今後、発行会社は、この「承認前提出方式」、従来の上場承認日に有価証券届出書を提出する方式(「承認時提出方式」といいます。)のどちらかを選択することが可能となります。
3.最終的に公開価格等の条件が決定するまでは、特定の上場日ではなく、1週間程度の幅を持った上場日が目論見書等に記載
4.訂正目論見書の交付により、上場日が延期される場合がある


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